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 アイスランド最高峰のエーライヴァヨークトル山では、火口を覆う氷河が地熱によって融解が進み、中心部分が過去3週間で2〜3メートルほど沈んでいるのが地球観測衛星の画像で確認された。アイスランド大学地球科学研究所の専門家は、「今すぐに噴火するおそれはないが、危険は去っていない」として、監視を続けている。

 標高2109メートルと同国最高峰のエーライヴァヨークトル山は、1727年〜1728年の噴火以来、目立った活動はないが、今年6月以降、火山性地震が相次いでいて、10月には最大マグニチュード3.5を含む、80回近い地震が発生している。

 同国地球科学研究所の研究チームは先月、欧州の地球観測衛星センチネル1号のレーダー画像を解析した結果、火山を覆う氷河の下で、火口が直径1キロ、深さ15〜20メートルに拡大しているのを確認。

 今月10日の画像では、火口の上の氷河の高さが2〜3メートル沈降し、中心部分に亀裂が入っているのが明らかになった。

 
 地球物理学者のマグナス・グミ・グズムンドソン教授は、火口直径は1.2〜1.5キロに広がったと推定したうえで、「氷河上空を飛行した2週間前に比べると、沈降の進み具合が鈍化しているので、地熱の温度が低下したかもしれない。今すぐに噴火のおそれはないが、引き続き監視が必要だ」と述べている。

 アイスランドは、厚く覆った氷河の下に32の活火山が隠れていて、最近では2010年4月にエイヤフィヤトラヨークトル山、翌年5月にはグリムスヴォトン山が噴火し、ヨーロッパ全域の航空路が数週間麻痺した。

 中央のくぼみの下にアイスランド最高峰エーライヴァヨークトル山の火口が存在する(アイスランド大学火山研究所 
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