厚生労働省の「2015年都道府県別生命表」(13日発表)で、またしても青森県の平均寿命が全国最下位だった。塩分摂取量や高い喫煙率が要因とされ、県民の生活習慣改善は重要課題の一つ。次回の発表は5年後。「短命県」の汚名返上へ産官学民挙げての取り組みが正念場を迎える。(青森総局・横川琴実)
 
国民生活基礎調査などによると、青森県民1人当たりの塩分摂取量(16年)は男性11.3グラム、女性9.7グラムで、全国平均(男性10.8グラム、女性9.2グラム)を上回る。
 
「とても甘いか、しょっぱいかのどちらか…」。主婦らでつくる県食生活改善推進員連絡協議会の山谷詠子会長(61)は、県民の料理の味付けの傾向を指摘する。
 
県や協議会は4年前から、だしを使った減塩運動「だし活」を展開。健康講話や料理教室で、みそ汁の塩分を実際に参加者に測定してもらうなどしている。普段から食品のラベルを見て、塩分量を確認する習慣も身に付けてほしいからだ。
 
本年度からは県内の大学や飲食店を対象に、ラーメンやそばといった麺料理の塩分量調査を始めた。5年がかりで延べ500店舗。結果は店舗に渡す。
 
山谷会長は「青森のラーメン文化を否定するわけではない。塩分の多いものを摂取した後は、塩分の少ないものを食べるといった意識が広まればいい」と調査の意義を説明し、その効果に期待する。
 
県民の喫煙率(16年)も男性33.6%、女性11.5%で、全国平均(男性31.1%、女性9.5%)より高い。男性は減少しているが、女性は6年前と比べると増加している。
 
妊婦の喫煙率が県平均よりも高い下北地方では、県むつ保健所が管内の飲食店や事業所での分煙や禁煙を推奨。今年5月から週末のランチタイムを禁煙とした飲食店(むつ市)は「当初は客が減るのではないかと心配したが変わらなかった」と好意的に振り返る。
 
弘前大とベネッセコーポレーションは昨年、むつ市や黒石市の小中学校で健康教育プログラムを始めた。ベネッセが生活習慣チェックシートやウェブ用動画などの教材を制作。ベネッセの担当者は「『1日の運動を増やす』など、家族の健康宣言をつくる宿題を設定することで、子どもだけではなく、親の世代も巻き込むことができている」と手応えを感じている。
 
弘前大大学院医学研究科の中路重之特任教授は「平均寿命が長い長野県も、青森と同様に雪深い場所で医師不足に悩んでいる。健康への意識の違いが寿命の違いを生んでいると考えられる」とした上で、「取り組みを県内全域に広げたい」と強調する。

[青森県の平均寿命]2015年は男性が78.67歳で1975年から9回連続、女性は85.93歳で95年から5回連続で最下位。40〜60代の死亡率が高く、平均寿命を押し下げる一因とされている。弘前大などによると、全国の平均寿命が短い上位100市区町村(2010年)に、青森県の全40市町村のうち、男性は38市町村、女性は19市町村が入っている。

配信2017年12月18日
河北新報
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201712/20171218_23009.html

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