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12月26日 19時10分
「危」「傾」「熱」これなんだかわかりますか?年末になると全国の知事はこの1年対応に迫られた事や注力した政策などを振り返る記者会見を開きます。そこで増えているのがことしを表す漢字ひと文字の発表。「選ばれし漢字たち2017」です。(ネットワーク報道部記者 飯田暁子 後藤岳彦 玉木香代子)

「興」

「興」を選んだのは福岡県の小川洋知事です。

ことし7月、福岡県と大分県に大きな被害をもたらした九州北部豪雨。住宅地に大量の土砂や流木が流れ込むなどして被害が拡大し、福岡県と大分県で39人が犠牲になりました。


小川知事は記者会見で、「戦後最大の災害で初めて被災地に入った時は本当に息をのんだ」と当時を振り返りました。そのうえで「豪雨災害から被災地が立ち上がる1年だった。引き続き一日も早い復旧復興に取り組みたい」と語りました。

「危」

災害に対応する危機管理が課題となった県もありました。
ことし7月の記録的な大雨で河川が氾濫し、住宅が浸水するなどの大きな被害が出た秋田県です。

この際、ゴルフ旅行から戻るのが遅れて、県の緊急会議に出席できなかった佐竹敬久知事が挙げたのが「危」の文字。

記者会見で「『ことしの漢字』は毎年、非常に悩むが、今回は自分の反省もあって、すぐにこのひと文字が出てきた」と述べて、「危」と書いた色紙を示しました。そのうえで、「人生最大の危機意識の欠如で、自分自身でも悔やんでいる。任期中はなにかあればすぐに出勤する」と述べました。

「共」

東日本大震災や福島第一原発の事故からの復興に取り組む福島県の内堀雅雄知事はことし1年を振り返り、「共」(とも)という漢字で表現しました。

内堀知事は、「来年も県民の皆さんと、福島に心を寄せてくれるすべての方々とともに復興への思いを共有し、一丸となって、福島の未来を切り開いていきたい」と語っています。
「傾」
地方から見た国全体へのイメージを漢字で表現したのは静岡県の川勝平太知事、「傾」を選びました。

川勝知事は「森友学園や加計学園の問題などで政治家だけでなく、官僚の信頼も揺らいだ。また東芝の財務問題や神戸製鋼、それに三菱マテリアルなど日本を代表する企業で問題が起き、大企業神話がくずれたと思う」と指摘しました。

ネット上でことしの漢字は

知事が選んだ漢字、続きを見る前に、ネット上で話題になっている漢字も見てみましょう。ここ数日で相次いで投稿されていたのは、京都の清水寺で発表された今年の漢字「北」への反応です。

発表当初は「ピンと来ない」「全然共感できない」といった反応が多くありましたが急増しているのは「納得」の声。
きっかけは24日、競馬の有馬記念でのキタサンブラックの優勝です。ツイッターには、「今年の漢字が『北』って聞いたときはしっくりこなかったけど…昨日やっとしっくり来た!!!キタサンブラック、キター」「今年の漢字は北で間違いない。キタサンブラックの年だったわ」などの投稿がありました。


また、ネットならではの一文字といえば「写」。
ことしはインスタグラムに投稿するために写真を見栄え良く撮影することがブームとなり、「インスタ映え」という言葉も話題になりました。

ことしのひと文字は「写」だという人は、「ツイッターにインスタ、アナログのオイラには写真撮るの難しかったですね」と投稿していました。

また、インターネット上の書き込みをきっかけに批判が巻き起こる「ネット炎上」も話題となりました。

大手損害保険会社は企業向けにネット炎上に対応する保険を発売しました。ツイッターにも、「今年のひと文字、北よりも炎だったんじゃないかと思うレベルでそこらじゅうで炎上してる」という書き込みもありました。