http://www.sankei.com/smp/world/news/180109/wor1801090062-s1.html

 【カイロ=佐藤貴生】英BBCテレビ(電子版)は8日、イラン政府が小学校で英語を教えることを禁止したと伝えた。イスラム教シーア派最高指導者ハメネイ師は、早くから英語を教えることは「西側の文化の浸透」につながると主張してきたという。昨年末から約1週間、全土で反政府デモが行われたのを受け、米国を念頭に警戒心を示した形だ。

 ハメネイ師は以前、保育園でも英語教育が広がっているとして、「ライバルがわが国の次世代に影響を及ぼそうとしている」などと否定的な態度を取り、スペイン語やフランス語などを学ぶべきだと述べていた。

 穏健派のロウハニ大統領は、英語は若者の就職に役立つとしてハメネイ師とは異なる立場だが、「決定を止める力がなかった」(BBC)という。

 教育省は、「小学校ではペルシャ語の能力と、イランのイスラム文化への知識を強化する」としている。

 英語は多くの中学校では外国語の選択科目の一つ。中間層の多くの家庭は子供を放課後に英語の塾に通わせるなどしており、決定により英語への関心が冷めるかは不透明だという。