■費用
上の歴史で書いたように、電線を地中に敷設すると、電柱を使うよりも費用がかかります。すでに埋まっているガス管、水道管とのかねあいや、場所による方式の違いもあり一概にはいえませんが、
3倍〜10倍高くなり、1キロあたり1〜5億円必要です。東京都の道路延長は2万キロを超え、無電柱化率は7%。仮に1キロあたり3億円とすると、単純計算で6兆円かかることになります。
この費用を、国や地方自治体、事業者(電力会社など)が3分の1ずつ負担する方式が主流です。しかし、行政が多額の税金を使って地中化を補助することに対して反対する意見が出ています。
なお、地中化が加速すれば大量発注、技術開発により、低コスト化が進むという見立てもあるようです。

■地中化工事の難しさ
電柱に関する権利関係は非常に複雑です。工事前には関係者の同意を得なければなりませんが、電柱1本でもかけられている電線によっては電力会社、
電話会社、ケーブルテレビなどの事業者が所有者になっています。また、電柱が立てられている道路には国道や都道府県道、市区町村道などがあり、それぞれに管理者が異なります。
さらに周辺の商店や住民、経産省、国交省、総務省などの監督官庁も関わってくるため、とかく多くの人々、団体が足並みをそろえなければ工事が進められないのです。

■地中化すると災害に強いのか?
阪神淡路大震災のデータでは、震度7地域で被害を受けた地中線は4.7%。一方、架空線はそのおよそ2倍にあたる10%が被害を受けました。地上にある電柱や電線は、周辺の建物の倒壊に巻き込まれてしまうリスクがあり、ダメージを受けやすいのです。
これを見ると地中線の方が災害に強そうですが、復旧が早いのは架空線です。地上にある電線は、断線箇所がすぐに見つけられます。しかし、地中線はどこが断線しているのか分かりづらく、掘り返して作業をしないと復旧できません。
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