2020年東京五輪・パラリンピックで、都内を中心に首都圏の道路や鉄道の混乱をいかに防ぐか、本格的な検討が始まっている。期間中の来場者は延べ1千万人と予想され、かつてない規模で自動車の使用抑制や鉄道の分散利用が呼びかけられそうだ。日常生活にも直結する問題だが、課題は多い。

 19日、大会組織委員会、都、鉄道会社、高速道路会社の幹部らが集まった会議で、20年大会の交通渋滞の見込みが説明された。都の幹部は「1千万人の関係者や観客が見込まれる。円滑な輸送がなくては大会の成功はないとも言われる」と呼びかけた。

 交通工学の専門家らの検討会が10日に示した試算によると、渋滞などの対策をせずに大会に臨むと、首都高速道路では、渋滞で遅れる時間が現状の約2倍になると見込まれる。

 大会期間中は、選手ら大会関係者が利用する車6千台の大半が、主に首都高などの幹線道路で移動。一部区間で大会専用レーンをつくったり、来日する国家元首らのための交通規制をしたりする見込みだ。五輪がある7月24日〜8月9日は、通行量が増える学校の夏休みと重なることもあり、時速20キロ以下の渋滞が頻発するとみられる。「競技開始が遅れたり、住民の日常生活に支障を来したりする恐れがある」と組織委幹部は言う。

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