https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180122/k10011297811000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_003

1月22日 19時13分
55年前、埼玉県狭山市で女子高校生が殺害された「狭山事件」で、再審・裁判のやり直しを求めている男性の弁護団が有罪の裏付けとなった当時の筆跡鑑定を否定する新たな鑑定結果を提出したことに対して、検察は反論を検討する考えを示しました。

昭和38年、埼玉県狭山市で女子高校生が殺害された「狭山事件」では、無期懲役が確定し仮釈放された石川一雄さん(79)が再審を求めています。

当時、被害者の自宅には脅迫状が届き、その筆跡が捜査機関の鑑定で石川さんと同じだとされたことが、裁判で有罪の重要な裏付けとなりましたが、石川さんの弁護団は、筆跡は別人のものだとする新たな鑑定結果を今月15日に東京高等裁判所に提出しました。

この鑑定ではコンピューターで文字の画像を読み取って形を比較したところ、99.9%の確率で脅迫状の筆跡は別人のものだとする結果が出たということです。

22日に東京高等裁判所で開かれた協議の場で、検察は裁判長から今後の対応を聞かれ、反論を検討する考えを示したということです。

協議のあとの会見で、石川さんは「学校に行けず、当時は読み書きができなかった私が脅迫状など書けるはずがないので、そのとおりの鑑定が出たと思います。1日も早く再審を認める決定を出してもらいたい」と話していました。