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1月24日 5時12分
製造業で品質管理に関する不正が相次いだことについて、NHKが主要な企業100社に調査を行ったところ、一連の問題を受けて品質管理を強化すると回答した企業が半数近い42社に上り、大手企業の間で管理体制の見直しの動きが広がっていることがわかりました。

NHKは、製造業で相次いだ品質不正の問題について、先月から今月中旬にかけて主要企業100社を対象にアンケート調査を行いました。

それによりますと、一連の問題を受けて、自社の製品やサービスの品質管理について対策を取ったかとたずねたところ、「対策を取った」が29社、「今後対策を取る」が13社となり、合わせて半数近い42社が品質管理を強化すると回答しました。

また、不正を防ぐための具体的な対策について聞いたところ、「品質検査の機械化や自動化」と回答した企業が36社に上りました。

人手不足への対応が迫られる中、品質管理の分野でも、人の手を介さない機械化や自動化を一段と進める必要があるとする企業の姿勢もうかがえます。

企業の品質管理に詳しい日本品質管理学会の小原好一会長は「機械化や自動化によって人の手を介さなくなれば、改ざんや不祥事が減ると思う。そのうえで、経営トップが社員に教育し、不正があった時に隠すのではなく、オープンにできる仕組みを作っていくことが重要だ」と話しています。

相次ぐ品質管理不正

製造業では、去年の秋以降、製品の品質に関する不正が相次いで明らかになっています。大手鉄鋼メーカーの「神戸製鋼所」では、去年10月以降、アルミや銅などさまざまな製品で、強度などの基準を満たしているように製品の検査データを改ざんし、出荷していたことが次々に明らかになりました。

素材産業では、大手金属メーカーの「三菱マテリアル」や繊維・化学大手の「東レ」の子会社でも同様の不正が相次いで発覚。さらに、自動車メーカーでも、「日産自動車」と「SUBARU」が国に義務づけられた車の検査を資格のない従業員にさせていたことが明らかになり、メーカーの信頼性が問われる事態となりました。

一連の問題では、組織が閉鎖的でチェック機能が働かなかったことや、利益や納期を優先し、品質を軽視する企業の体質、それに、担当部署の人手不足などが不正の原因として指摘されています。

過去の不正きっかけに対策模索

過去の品質不正の問題をきっかけに対策を模索する企業もあります。大手商用車メーカーの「三菱ふそうトラック・バス」は、16年前の平成14年に生産したトラックの部品の欠陥が原因で2人が死亡する事故が発生し、当時の経営幹部が逮捕される事態となりました。

このメーカーでは、顧客から寄せられた車の不具合の情報を隠蔽していた企業の体質に問題があったとして、体制の見直しを進めてきました。不正に関わった部署を刷新し、品質管理の担当者を2倍に増やすなど、チェック体制を強化しました。
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