http://www.bbc.com/japanese/42799969

ギータ・パンディ記者、BBCニュース(アッサム州マンガルダイ)

まるでボリウッド映画の話のようだ。
第一に、二人の赤ちゃんは数分違いで生まれ、病院で出生時に取り違えらえた。

第二に、二人の家庭環境はかなり違う。一方の両親はヒンズー教徒の部族の人たちで、もう一方の両親はイスラム教徒だ。
この話の予想外の展開は? 当局との長い争いの末、DNA検査がようやく2年半後に行われたが、二人の幼児たちは育ての両親の元を離れることを拒否している。
二組の両親は17日、裁判所に出向き、お互いの子供をこれからも育てることを確認した。

これは、インド北東部アッサム州で起きた話だ。
シャハブディン・アフメドさんは2015年3月11日午前6時、妻のサルマ・パルビンさんをマンガルダイ市民病院に連れて行き、妻はその1時間後に男の子を産んだと話す。通常の出産だったため、妻は翌日退院したという。

「1週間たって妻が、『この子はうちの子じゃない』と言うんです。私が『何を言っているんだ。罪のない子供のことをそんな風に言うもんじゃない』と言ったけど、妻は、分娩室にボド族の女性がいて、『2人の赤ちゃんは取り違えられたと思う』と話した。信じられなかったけど、妻はそう言い続けた」
サルマ・パルビンさんは当初から、ジョナイトちゃんが実の子供ではないと疑っていたという。

「赤ちゃんの顔を見たとき、疑いを持った。分娩室にいたもう一人の女性の顔を思い出し、この子がその女性に似ていたから。赤ちゃんの目から分かった。この子が小さな目をしていたから。うちの家族の誰もそんな目をしていない」とパルビンさんは語った。

アフメドさんが、妻が感じている疑いについて病院長に伝えたところ、院長はアフメドさんの妻は精神を病んでいて、精神科の治療が必要だと話した。アフメドさんはその後、情報請求権を提出し、同病院でその日午前7時頃に生まれた全ての赤ちゃんの詳細な情報を求めた。

1カ月後、7人の女性の情報を得た。記録を見た後、「部族の女性」を調べることにした。妻とこの女性にはあまりにも多くの類似点があったからだ。二人とも男の子を産み、赤ちゃんの体重はそれぞれ3キロ、出生時間は5分しか違わなかった。
「夫婦の住む村に2回行ったけど、彼らの家を訪ねる勇気がなかった」とアフメドさんは語った。

「だから相手の夫婦に手紙を書いた。子供たちが取り違えらえたと妻が思っていると書き、向こうも同じようにそう思っているかどうか尋ねた。手紙の末尾に自分の電話番号を記し、電話してほしいとお願いした」
アフメドさんの自宅から30キロしか離れていない場所に、部族のアニル・ボロさんとシェワリ・ボロさん夫婦が息子のリヤン・チャンドラちゃんと住む村がある。

ボロさん夫婦はアフメドさんの手紙を受け取るまでは、息子が取り違えられたとは疑っていなかった。夫のアニルさんもそんなはずはないと思い、妻も他の家族もそう思っていた。しかし二組の家族が出会ってから、状況が変わった。
(リンク先に続きあり)

(英語記事 India's switched-at-birth babies who refused to swap back)

シャハブディン・アフメドさんと妻のサルマ・パルビンさん、息子のジョネイトちゃん
https://ichef-1.bbci.co.uk/news/410/cpsprodpb/DF9E/production/_99664275_img_7775.jpg
シェワリ・ボロさんは、リヤンちゃんが自分たちの子ではないことを初めは信じなかったという
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リヤンちゃんは、シェワリ・ボロさんのもとを片時も離れようとしない
https://ichef-1.bbci.co.uk/news/410/cpsprodpb/10BB8/production/_99663586_img_7595.jpg