【はれのひ社長会見】新成人裏切りも言い訳だけ 「経営判断ミス」詐欺認めず
2018年1月27日 7時0分
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 「ぎりぎりまで何とかしたいという気持ちはあった」。
 成人の日を前に突然営業を停止し、混乱を引き起こした振り袖販売・レンタル業「はれのひ」(横浜市)の篠崎洋一郎社長(55)が26日、問題発生後初めて公の場に姿を現した。なぜ、新成人の晴れ舞台を台無しにするような決断に至ったのか。篠崎氏は詐欺の認識は否定しつつ、「精いっぱいやった」などと弁明に終始した。
 この日、横浜市内で会見に臨んだ篠崎氏。「説明が遅れたことをおわびします」。冒頭で、晴れ着をまとって成人式に出ることを待ち望んでいた新成人に対し、謝罪を繰り返した。
 篠崎氏は平成25年8月に事実上の本社を横浜市に移転後、店舗数を増やすなど積極的な事業拡大を図ってきた。だが、資金繰りは徐々に悪化。「急激な出店で人件費コストが拡大した」と説明した上で「経営判断を誤った」と悔やんだ。
 昨年4月には仕入れ先への支払いが滞ったことで商品の供給が止まったという。経営が立ちゆかなくなる可能性については、「昨年のゴールデンウイーク前ごろから危機感があった」。同12月には取引先の金融機関全てから融資を引き揚げられていたと明かした。しかし、客の注文は同月中旬まで受け続けた。その是非を問われると「最後まで業者に当たるなど精いっぱいやった」と弁明した。
 最終的に営業取りやめを決めたのは、成人の日前日の7日夜。着付けの会場費や関連業者への費用を前金で支払える状況になく、後払いにできるよう交渉を続けたが、会場費に加えて「ヘアメーク業者と支払いの条件が折り合えなかった」ことが決定打になったと説明した。
 客に無断で閉店したことについては「知らせなかったというより、できなかった」。一部では資金を集めた後、計画的に業務を停止したとする「詐欺行為」の疑いも指摘されるが、「そういうつもりは毛頭なかった」と否定した。
 当日の8日以降は、神奈川県内の知人宅で、自らが引き起こした騒動を見つめていた。「隠れるつもりはなかった」。篠崎氏はこう強調したが「逃げたと言われても仕方がない」とも。
 その間、着物を着られなかった新成人たちの悲しむ姿を見たときの気持ちをただされると、「取り返しがつかないことをしてしまった」。しかし、不動産を所有せず、預金も数十万円しかないと明かし、「(被害者に)返済する能力がない」とも言い切った。