https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180201/k10011310911000.html

31日夜、札幌市東区にある生活保護者の自立を支援する施設で火事があり、警察によりますと、
焼け跡から新たに1人が遺体で見つかり、合わせて11人の死亡が確認されたということです。
警察が身元の確認を急いでいます。

31日午後11時40分ごろ、札幌市東区北17条東1丁目の生活保護者の自立を支援する
3階建ての施設「そしあるハイム」で、「煙が出ている」と目撃者から消防に通報がありました。

消防車が出動して消火にあたりましたが、警察によりますと、焼け跡から新たに1人が遺体で見つかり、
合わせて11人の死亡が確認されたということです。

施設には高齢者など16人が入居していて、これまでに5人が救助され、警察によりますと、
このうち3人がけがをして病院に搬送されたということです。

■「そしあるハイム」とは

火事が起きた施設「そしあるハイム」は、札幌市北区の自立支援事業所「なんもさサポート」が運営し、
主に生活保護の受給者の自立を支援するための施設です。

警察や自立支援事業所の代表によりますと、施設は、旅館だった3階建ての建物を改装したもので、
6畳の1人部屋が並び、男女合わせて16人が入居していたということです。

入居者はいずれも経済的に困窮したり、身寄りがなかったりする人たちで、自立支援事業所では
1か月の家賃は3万6000円で食事の提供のほか、就労支援なども行っていたということです。

■施設周辺は住宅密集地

火事があった生活保護者の自立を支援する施設「そしあるハイム」は、JR札幌駅から北に1.5キロほど
離れた住宅街の一角にあります。施設の付近は住宅が密集し道路を挟んだ向かいにはマンションがあるほか、
近くには中学校や高校、それに大学などがあります。

■近くの男性「これだけ大規模な火災は初めて」

現場近くに住む男性は「部屋の中にいて、消防車のサイレンの音に気づいて外に出たら建物が激しく燃えていた。
20分ほどたつと屋根が落ちて、火柱が一気に20メートルほど上がり、熱気が来た。これだけ大規模な火災を
見たのは初めてで怖かった」と話していました。

火事があった現場の近くに住む男性は「自宅にいたところ『ボン』という音やガラスが割れるような音が何度も
聞こえたので、外に出たら建物の1階部分が燃えていた。それから10分もしないうちに火は建物全体に燃え広がり、
火柱は10メートルほどに上がっていた。現場から距離はあったが、火の勢いがすごく熱気を感じるほどだった」
と話していました。また、「火事があった現場にはベンチがあり、いつもお年寄りが何人か座って話をしているのを見ていた。
胸が締めつけられる思いだ」と話していました。

■高齢者が多数亡くなった火事

高齢者が多く住むアパートや施設では、複数の人が死亡する火事が相次いで起きています。

去年8月には、秋田県横手市で、1人暮らしの人が住むアパートなどが全焼し、50代から70代の男性5人が死亡しました。

去年5月には北九州市小倉北区で、日雇い労働者などが暮らすアパートが全焼して、50代から80代の男性6人が死亡しました。

また、3年前の平成27年5月には、川崎市で簡易宿泊所2棟が全焼し、40代から80代の利用者の男性11人が死亡しています。

さらに5年前の平成25年2月には長崎市のグループホームで火事があり、70代から90代の女性5人が死亡しています。