2017年春に実施した入試の後、全国立大学の4割を超える36校が正解や解答例を公表していなかったことが、読売新聞の調査でわかった。

 17年の入試にミスがあり、今月1日に17人の追加合格を発表した京都大は、正解や解答例を公表していなかった。文部科学省は今後、正解や解答例の開示ルールを見直す方針だ。

 読売新聞は今年1月、大阪大で30人を追加合格とした入試ミスを受けて、17年春に2次試験(前・後期)を行った国立大82校に、正解や解答例の公表状況を電子メールで尋ね、全校から回答を得て集計した。

 その結果、正解・解答例の全て、または小論文など一部を除いて公表したのは大阪大や北海道大、筑波大、名古屋大、九州大など45校。すべて非公表だったのは京都大や東京大、東北大、一橋大、東京工業大など36校だった。鹿屋かのや体育大は2次試験で学力検査を課さなかった。

 公表の理由は「本学が求める学力や能力を示すため」(名古屋大)など14校が受験生への情報提供だと説明した。また、「信頼される公平・公正な入試とするため」(長岡技術科学大)など情報公開の重要性を指摘する大学もあった。

 一方、非公表の理由では「(記述式問題で)解答例が唯一の解法だと誤解される可能性がある」(千葉大)、「模範解答を目指す受験対策を誘発し、大学が期待する柔軟で多様な思考力に基づく解答を期待できなくなる」(佐賀大)など、7校が受験生に与える影響への懸念を示した。

 文部科学省は、各大学に解答例の開示に努めるよう求めている。国立大学協会も指針で正解や解答例の開示を努力目標としており、出題意図の公表も例示している。神戸大や鳥取大、上越教育大などは「図形と方程式に関する理解と計算力を問う」といった出題の狙いを公表している。

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2018年02月04日 08時45分
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