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支払われた価格(引き受けられた費用)の価値と達成された目標の価値との差を利益と呼ぶ。この根源的な意味において、利益は純粋に主観的である。
それは行動する人間の幸福の増加である、それは測定される事も計量される事も出来ない心理的現象である。
感じられる不安の除去には程度が存在するが、ある満足がどのぐらい別の満足を上回っているのかは感じられる事しか出来ない、
それは客観的な方法で確定される事も決定される事も出来ない。価値判断は測定をしない、それは程度の尺度で並べ、順位付ける。
それは選好の序列と順序を表しているが、測定と計量を表さない。それには序数しか用いる事は出来ず、基数は使えない。

いかなる価値の計算について話す事も無駄である。計算は基数においてだけ可能である。二つの状態の価値評価の間の差は完全に心理的で個人的である。
それは外部世界へ投影出来ない。それは個人により感じられる事しか出来ない。それはその他の人に伝えたり、教えたりする事は出来ない。

ルートヴィヒ・フォン・ミーゼス、Human Action.
ルートヴィヒ・フォン・ミーゼスは現代リバタリアン運動に多大な影響を与えたオーストリア=ハンガリー帝国出身の経済学者である。
リバタリアン運動の中心的な指導者であるマレー・ロスバードは彼の弟子である。

強制的な干渉は強制される個人または集団が干渉者によって強制されている事を自発的に行う事はないと言う事を意味する。
ある事を述べる様に、または述べない様に強制される人、または干渉者や第三者と交換する様に、或いはしない様に強制される人は
暴力の脅迫によって彼の行為を変えさせられたのである。それ故に強制される人は干渉の結果として常に効用を減少させられる。...
経済科学の発展以前、人々は交換と市場を他方の犠牲で一方が利益を得る物と考える傾向があった。...経済学はこれが誤りであると示した。
なぜなら市場では交換する両方の当事者が利益を得るからである。それ故に、「市場では搾取等という物は有り得ない」。
しかし利益の固有の対立の命題は暴力を行使する国家やその他の何者かが市場に干渉する時は常に真実である。
なぜならその時、「干渉者は効用を失う被干渉者の犠牲で利益を得る」からである。

マレー・ロスバード、Man,Economy,and State.
マレー・ロスバードは20世紀のアメリカ合衆国における代表的な自然法哲学者、経済学者、歴史学者である。
彼はリバタリアン運動の中心的な指導者の一人であり、20世紀で最も偉大なリバタリアン理論家、ミスター・リバタリアンとも呼ばれる。
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