パワハラ受け上司も放置、さいたま市職員自殺…賠償増額の判決
職員の父親「市は一切謝罪ない。謝罪して」

さいたま市職員だった男性が自殺したのは職場のパワーハラスメントが原因だとして、両親が市に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、
東京高裁は26日、一審さいたま地裁判決の約1300万円から賠償額を増やし、約1900万円の支払いを命じた。

判決によると、男性は前沢史典さん=当時(41)。2011年4月から勤務した市西部環境センターで、先輩職員から暴行や暴言を継続的に受け、上司に被害を訴えた。
同年12月に重いうつ状態と診断された後、自宅で自殺した。

阿部潤裁判長は、上司には、産業医らと連携して、前沢さんの心理的な負担を軽減する義務があったと指摘。「適切に対応していれば、自殺を防げた可能性が高い」と判断した。
自殺に至った市側の過失割合を一審より重くみて、賠償額を増やした。
中略
市が昨年7月に提示された高裁による和解案を拒否したため、今回の判決となった。
金子弁護士によると、案では「今回の判決に近い話が出ていた」という。
岑夫さんは時折笑顔を見せながらも
「長い6年間の戦いだった。私たち家族の心は晴れない。市側の控訴理由は『暴力はしていない』のみで、パワハラの恐ろしさはみじんも感じられなかった」
と憤りを口にした。

http://www.saitama-np.co.jp/news/2017/10/27/06_.html