13日にスポーツ庁が公表した小学校5年生と中学校2年生を対象とした2017年度全国体力調査。女子の体力合計点は、今回の形式で調査を始めた08年度以降で最高値を更新したが、種目別では、特に男女ともボール投げが低下傾向にあることが明らかになった。

 調査は小5がソフトボール投げ、中2がハンドボール投げを含む8種目を実施。子どもの体力水準がピークだった1985年度と今回の平均値を比べると、小5男子が29・94メートル→22・52メートル、同女子が17・60メートル→13・93メートル、中2男子が22・10メートル→20・51メートル、同女子が15・36メートル→12・88メートルと下がった。ここ9年の調査を比べても、中2男子が最低値を記録するなど低水準のままだった。

 ボール投げの低下傾向については、子どもの人気スポーツが野球中心から多様化したことが原因の一つと指摘されている。スポーツ庁の鈴木大地長官は13日の会見で「公園でキャッチボールができない、野球ができないという話はだいぶ前から聞かれている」と話し、「柔らかいボールやケガをしにくいボールもある。色々なやり方を提供して、身近にスポーツができる環境の整備に努めていきたい」と語った。(野村周平)

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