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3月6日 2時02分
イタリアで行われた議会選挙では、厳しい移民政策を掲げる政党も参加する「中道右派連合」が最大勢力となる見通しであるほか、EU=ヨーロッパ連合に懐疑的な新興政党も議席を2倍以上に増やす勢いで、これらの勢力が中心となり連立協議が行われることになります。

イタリアで4日行われた議会選挙の開票はほぼ終わり、内務省によりますと野党の「中道右派連合」が全体の3分の1以上のおよそ37%を得票して議会の最大勢力となる見通しです。

また、「中道右派連合」の中では、当初ベルルスコーニ元首相が最も影響力を持つと見られてきましたが、開票の結果、厳しい移民政策を掲げEUの単一通貨ユーロに反対する政党「同盟」が最も多く得票し、サルビーニ書記長が首相候補となるものと見られます。

サルビーニ書記長は5日、記者会見し、「中道右派の公約を果たすため政権を担う権利も義務もある」と述べ、中道右派連合を率いて政権を担う意欲を示しました。

選挙では、また、既成政治の打破を掲げEUに懐疑的な新興政党「五つ星運動」も32%余りと議席を現在の2倍以上に増やして躍進し、単独の政党としては議会第一党となる見通しです。

「五つ星運動」のディマイオ代表も記者会見し、「イタリア人が長年待ち続けたことを実現できると思うと大きな責任を感じる」と述べ、議会第一党として政権を主導したいという考えを示しました。

ただ、いずれも単独で過半数の議席は獲得できない見通しで、今後は「同盟」と「五つ星運動」を軸に連立協議が進められるものと見られます。

イギリスのEU離脱のあと、イタリアはドイツやフランスとともにEUの主要国としての責任を問われることになりますが、選挙の結果、EUに懐疑的な勢力が政権の発足を目指すことになり、EUにとって新たな不安定要因となる可能性も出ています。