北朝鮮の核・ミサイル開発は、これまで「裏切りの歴史」を繰り返してきた。日米韓など関係国は、北朝鮮の「開発凍結」の見返りとして、何度も食糧支援や経済制裁の解除を実施したが、北朝鮮は水面下で開発を続け、結果として核・ミサイル開発の大幅な進展を許した。そのため日本や米国は、「非核化」の具体的な進展を強く北朝鮮に要求する構えだ。

 北朝鮮は1994年、核開発を凍結する代わりに軽水炉の提供を受ける「核枠組み合意」を米国と締結。北朝鮮は重油や食糧の提供も受けたが、秘密裏にプルトニウム抽出やウラン濃縮などを進行。枠組み合意は破棄された。

 その後、日米韓と中国、ロシア、北朝鮮が参加した6カ国協議で核問題を協議。2005年には北朝鮮が核放棄を約束する共同声明を採択した。北朝鮮は寧辺(ニョンビョン)の核施設の一部を破壊したものの、後に合意の破棄を一方的に主張し、核施設の無能力化は頓挫した。

 米朝は12年にも長距離弾道ミサイルの発射や核実験の凍結、ウラン濃縮を停止し国際原子力機関(IAEA)の監視団を受け入れることなどで合意した。しかし、北朝鮮はミサイル発射を強行し、国連からの非難声明を受けて北朝鮮が米朝間の合意を破棄した。

日経新聞:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27787160W8A300C1EA2000/