[東京 8日 ロイター] - エーザイ(4523.T)は8日、米製薬大手のメルク(MRK.N)と抗がん領域での戦略的提携で合意したと発表した。エーザイが開発した抗がん剤「レンビマ」単剤、およびメルクが開発した「キイトルーダ」との併用療法について、共同開発や共同販売促進を行う。契約は2036年まで。

内藤晴夫・最高経営責任者(CEO)は会見で「レンビマをエーザイ単独で扱うよりも3倍の売上収益拡大となる。また、単独よりも少ない研究開発費で適応拡大を加速でき、研究開発投資の余力が拡大する」と述べた。

メルクは一時金としてエーザイに3億ドル(約320億円)、特定のオプション権行使に対して、2020年度までに最大6億5000万ドル(約690億円)を支払う。また、研究開発費の償還として、4億5000万ドル(約480億円)を支払う。このほか、肝細胞がんなどの承認取得時や販売マイルストーンなどを併せると、最大で総額57億6000万ドル(約6110億円)が支払われる。

エーザイは、2018年3月期の連結業績予想(国際会計基準)を上方修正した。

「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用については、6がん種・11の適応取得を目指すほか、複数のがん種に対するバスケット型試験を共同で行う。「レンビマ」はエーザイが生産し、売り上げ計上する。共同開発についての研究開発費、共同販促費、粗利益は折半する。

適応拡大により、エーザイの収益は2021年度から急速な拡大を見込んでおり、2025年度のROE15%レベルの達成確度は向上するとしている。

https://jp.reuters.com/article/eisai-idJPKCN1GK0BF