袴田さん、東京高裁へ 姉秀子さんと早期再審要請
2018/3/13 08:21
http://www.at-s.com/news/article/social/shizuoka/hakamada/467335.html

 月内にも即時抗告審の決定が出るとみられる袴田巌さん(82)の弁護団は12日、東京・霞が関の東京高裁を訪れ、早期に再審開始決定を出すよう申し入れた。袴田さん本人と姉秀子さん(85)も裁判所15階の事務室まで同行した。袴田さんが2014年3月の釈放以来、高裁を訪れたのは今回が初めて。
 裁判所は決定を出す10日前に弁護団に対して通告することになっているという。ただ、12日現在連絡はないため、袴田さんが釈放後に記した日記の一部や、日常生活を記録したDVDとともに文書で申し入れたという。
 日記には妄想の世界が多く書かれ、「死ぬ事はなくなった」などと書かれている。
 この日、袴田さんは帽子にコート姿。弁護団の一人によると、待合室で座っていた袴田さんがどこにいるか分からないふうだったので、「ここは裁判所だよ」と耳元で話し掛けると分かったようだったという。
 その後、袴田さんは弁護団と、高裁が再審開始決定を出した場合でも、検察が最高裁に特別抗告しないよう申し入れるため近くの東京高検が入る建物を目指した。しかし、建物入り口まで来ると「ばい菌なんだあいつら。みんな死んじゃうんだ」と一人先に歩き始め、同行しなかった。
 12日に県庁で記者会見した秀子さんは、同日に鹿児島県の大崎事件で福岡高裁宮崎支部が3度目の再審開始を決めたことを受け、「この流れをくんでいきたい」などと語った。