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3月17日 5時40分
米朝首脳会談が行われる見通しになったことを歓迎する声明案を中国とロシアが国連安全保障理事会のメンバー国に配布したところ、アメリカが反対し発表に至らなかったことがわかり、北朝鮮の真意を慎重に見極めようというアメリカの姿勢がうかがえます。

中国外務省の陸慷報道官は16日の記者会見で「中国はロシアとともに安保理議長に対して報道声明の草案を発表した。アメリカと北朝鮮が対話と接触を行おうとしていることを歓迎するものだ」と述べ、中国とロシアが共同で、報道機関向けの声明案を安保理のメンバー国に配布したことを明らかにしました。

安保理の外交筋によりますと声明には、北朝鮮が対話が続く間は核実験や弾道ミサイルの発射をしないと約束したことを評価する文言が盛り込まれていたということですが、アメリカが「時期が適切ではない」として反対したため、全会一致が原則の声明の発表には至らなかったということです。

アメリカのヘイリー国連大使は12日、安保理各国の国連大使を呼んで米朝首脳会談に向けた外交政策を説明したあと、記者団に「北朝鮮が非核化の確かな言動を示すまでは最大限の圧力をかけ続ける」と述べています。

アメリカが声明に反対したのは、北朝鮮から首脳会談に対する公式な反応がない中で、対話ムードが先行し圧力が緩むことを警戒しているためとみられ、北朝鮮の真意を慎重に見極めようという姿勢がうかがえます。