徳島県の「みよし広域連合」の40代男性消防職員が消防本部の幹部5人からパワーハラスメントを受けたのが原因で適応障害を発病したと訴えている問題で、消防長が男性職員の主治医に、診断書の表現を書き換えるよう求めていた疑いがあることが17日、分かった。その場にいたという男性職員は「パワハラの事実を矮小(わいしょう)化しようとする行為だ」と不信感を募らせている。

 男性職員は体調を崩して昨年10月から休職しており、休職期間を延長するたび、消防本部に診断書を提出している。

 男性職員によると、消防長が書き換えを求めたのは今年1月に提出された診断書で、病名などのほか、「職場環境のストレス(上司の叱責など)が今回の発病の直接的な原因であると類推される」と記載されていた。

 消防長は診断書を書いた主治医を男性職員と共に訪問。病名と治療内容、治療に必要な期間の三つが診断書の要件だとして、「診断書として適正なのか」「文言のところで譲るのであれば」「上司の叱責などというのは一方的な話」などと訴え、発病原因に関する部分の削除や変更を求めた。

 これに対し、主治医は「これ(発病原因に関する記載)をどう判断するかはお任せするが、訂正はできない」と答えた。

 消防長は徳島新聞の取材に対し「内容について説明を求めただけ。訂正や削除は求めていない」と語った。男性職員は「説明を求めているだけではなかった」と話している。

 消防本部は男性職員の休職を受け、本人と加害者とされる幹部5人に聞き取りを実施。他の職員には聞き取りを行っていないが、「パワハラはなかった」としている。

2018/3/18 10:09
徳島新聞
http://www.topics.or.jp/localNews/news/2018/03/2018_15213354235717.html