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3月23日 4時42分
障害がないにもかかわらず、優生保護法のもとで本人の同意なしに不妊手術を強制されたとして、東京都の70代の男性が国に損害賠償を求めて訴えを起こす方針を固めました。優生保護法のもとで行われた不妊手術をめぐって、男性が訴えを起こすのは初めてです。

訴えを起こすのは東京都に住む70代の男性で、代理人の弁護士によりますと、昭和32年ごろ、10代のときに障害がないにもかかわらず、当時住んでいた宮城県内で、説明のないまま不妊手術を受けさせられたということです。

宮城県に男性が手術を受けた記録は残されていませんでしたが、家族が手術を証言し、22日、医療機関で診察を受けて体に手術の痕が確認されたということです。

こうしたことを受けて、男性は近く、国に損害賠償を求めて東京地方裁判所に訴えを起こす方針を固めました。

宮城県の村井知事は、別の女性について先月、公式の手術記録がなくても、推認できる資料や証言があれば手術を受けた事実を認める考えを示しています。

昭和23年から平成8年まで施行された優生保護法では、障害などを理由に本人の同意なしに不妊手術を行うことが認められ、厚生労働省によりますと、およそ1万6000人が手術を受け、このうち、およそ3割は男性だということです。

優生保護法のもとでの不妊手術をめぐっては、ことし1月に宮城県の60代の女性が国に訴えを起こしていますが、男性が裁判を起こすのはこれが初めてです。