相談者

 50代女性です。大学生の息子のことで相談です。

 息子は現在、海外に留学しています。高校生の頃からかアニメオタクになり、卒業後は就職せずにアニメ関係の会社を起業したいと、アニメに関わる音楽、イベント、ゲームをつくる活動を始めています。

 最近、息子が18禁ゲームに関わっていることに気づきました。看護師が主人公で、もし看護師さんが見たら、屈辱的で、大変傷つくような内容です。再三メールでこのジャンルはやめてほしいということを申しましたが、考えを変えさせることはできませんでした。

 息子の主張によると「成人向け、18禁、エロゲームなどに関わらずにアニメの仕事をすることは不可能、残虐な作品があるおかげでより大きい犯罪を防ぐ効果がある、子どもたちが見ないようにするのはゾーニングが必要であって作る側の責任ではない、この仕事をしている人たちは、みんな優しくて普通の人、才能もある人たちなので、偏見を持たずに関わっていく」とのことでした。

 息子には人を傷つけるもの、子どもに見せられないものを仕事にしてほしくないと思います。日本の大学の残りの学費や生活費を出すことが、息子の仕事を間接的にでも肯定し、支援することになってしまうなら、援助することをやめ、退学手続きをとろうかと迷っています。

回答者 評論家・岡田斗司夫さん

 私は以前、ガイナックスというアニメ会社を起業し、社長をしていました。アニメを作るたびに赤字になり、それを救ってくれたのがパソコン用のエロゲーム開発でした。

 最初に作ったのは『電脳学園』。クイズに正解すると美少女が脱ぐという内容です。よく売れて会社を経済的に救い、同時に私たちはエロであろうともゲーム作りの楽しさを知りました。シリーズ3作目の『電脳学園V』では、自社の人気アニメ『トップをねらえ!』のキャラクターを脱がせました。実際のアニメ監督がゲームの監督もしたので、絵は非常に高レベルで評判も高かったのです。

 そのエロゲームの監督こそ、庵…

残り:709文字/全文:1532文字
https://www.asahi.com/sp/articles/ASL3H65WPL3HUCFI009.html