長崎県議会は28日、ノーベル文学賞を受賞した地元出身の英国人作家、カズオ・イシグロ氏を名誉県民とする県提出議案を全会一致で可決した。長崎市はすでに名誉市民としており、県と市は称号の贈呈の方法を検討する。

 「長崎のことを大切に思いながら世界的に活躍し、県の名声を高めるとともに郷土の発展に大きく貢献している」というのが、県の贈呈理由。イシグロ氏側へ2月に称号の受け入れを打診したところ「光栄に思う」との返事だったという。

 県知事や県議会議長が授賞式を前に送った祝福のメッセージに、イシグロ氏は「長崎での記憶は、キャリアの基礎」「子どもの頃、長崎で過ごした思い出は、ずっと、私の中に残っている」などとつづった礼状を返していた。

 イシグロ氏は1954年11月生まれ。5歳で両親と共に渡英した。82年発表の長編第1作「遠い山なみの光」は、原爆投下から数年後の長崎を舞台にしている。〔共同〕

2018/3/28 10:44
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28673610Y8A320C1ACX000/