米国の地方テレビ193局を保有する巨大メディア企業「シンクレア」が、傘下局に対する統制を強めている。内容そのもの以上に、各局のアナウンサーが統一したメディア批判を読み上げさせられる姿に「民主主義の危機」との懸念が広がっている。

 米国の地方局では、主要局制作のドラマやバラエティー番組の合間に、30分程度の地域密着型のニュースを放送することが多い。メッセージはこうした番組の枠内で読まれている。表向きはフェイクニュース批判だが、実際には主要メディアと対立するトランプ大統領の言い分に同調しているとの見方が大半だ。

 3月上旬にこうした動きを報じたCNNによると、シンクレアは各局に対し、メッセージをコマーシャルではなくニュース番組の時間内に読み上げるよう指示。「一言一句変えてはならない」と念も押したという。アナウンサーの一人は「メッセージの読み上げを強いられる戦争捕虜になったようだった」と話し、「現場の士気はがた落ち」などとの声もあった。

 シンクレア社は「メッセージは…残り:831文字/全文:1253文字

2018年4月4日05時00分
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https://www.asahi.com/articles/ASL435H1CL43UHBI01V.html

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https://www.asahi.com/articles/ASL435H1CL43UHBI01T.html

3月、全米の地方テレビ局のキャスターが一斉に、同じ文言の「フェイクニュース」批判のメッセージを読み上げ始めた。だが、その表現は、トランプ米大統領による主要メディア攻撃に酷似していた。
米メディアによると、メッセージは、米国で最大の193局を保有し、保守系で知られるメディア企業「シンクレア」が読み上げるよう強制したものだった。