4/5(木) 7:35配信

フィンランドで、ホルモン療法を受けて女性から性別移行した
トランスジェンダー(性別越境者)男性が、夫との間にもうけた子どもを出産した。
トランスジェンダー男性の出産は同国初。地元メディアが4日、伝えた。
同国の法律では性別変更の要件として不妊であることが定められており、
男性の出産は議論を呼んでいる。

ヘルシンキ首都圏に住む30代のこの男性は、
数年にわたって男性ホルモンのテストステロン投与を受け、
2015年に法律上の性別を男性に変更。
だが、体の性別移行を完了させる性別適合手術を受けずに、
夫との間に子どもをもうけることを決めた。

フィンランドの法律では、法的な性別を女性から男性に変えるためには
不妊を証明する必要がある。同国では医療機関の慣例として、
テストステロン療法を長期にわたり継続したトランスジェンダー患者は不妊とみなされる。

だが、ホルモン療法を停止すれば受胎能力が戻る可能性もある。
今回の男性は特殊な事例で、夫婦がホルモン治療の停止を決め、
その1年後に男性に生理が戻っていた。

北欧諸国の中で、現在も不妊を法的な性別変更の要件としている国は
フィンランドだけであり、同国は近年、人権団体から厳しい批判を受けていた。
だが当局は初の男性妊娠に対し柔軟な対応をみせ、このトランスジェンダー男性が
父親向け育児休暇を全期間取得することを認めている。

医師らの間では、過去のホルモン療法が妊娠に与える影響について
はっきりとした結論は出ていなかったが、この男性の場合は
出産が予定日を少し過ぎただけですべてが正常に進んだ。
男性の氏名は家族のプライバシー保護を理由に公表されておらず、
生まれた赤ちゃんの性別も明らかにされていない。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180405-00000004-jij_afp-int