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4月11日 16時05分
暖かくなってくると目にする機会が増える「ゴキブリ」や「ハエ」。「100万匹のゴキブリ」を飼育する世界最大級の研究所があると聞き、どんな研究が行われているのか訪ねました。そこで見たもの、考えたことは。(ネットワーク報道部記者 後藤岳彦)

1匹見たら100匹いる

私が訪ねたのは、兵庫県赤穂市郊外にある研究所です。蚊やゴキブリの駆除に使う殺虫剤や「ごきぶりホイホイ」などで知られる「アース製薬」の研究所です。

東京ドーム2個分の敷地の一角にある研究所で飼育されているのは、ゴキブリや蚊、ハエ、ノミ、さらにはタランチュラ!およそ100種類。

「ゴキブリ100万匹、蚊5万匹、ハエ5万匹、ダニ1億匹を飼育しています」。
そう話すのは、ゴキブリなどの飼育・研究に20年間、関わってきたアース製薬の生物研究課課長の有吉立さん。

有吉さんに案内され、壁が白い幕に覆われた部屋に入ると「目を閉じてください」と言われました。嫌な予感がしつつも、有吉さんの合図で目をあけると絶句…。白い部屋が真っ黒に感じるほど。数え切れないゴキブリです。

家でよく見る「クロゴキブリ」、暖房設備のあるビルやレストランなどに多い「ワモンゴキブリ」、世界各地に分布する「チャバネゴキブリ」など、およそ20種類を飼育しています。

温度は、ゴキブリが生息しやすい25度ほど。1週間に20キロもの餌を与え、健康状態は万全です。

ゴキブリのうち、オスは室内を動き回りますが、メスは筒などにこもっていることが多いそうです。
卵を産むメスを駆除することが重要ですが、こもりがちなメスを捕まえるのは難しいそうです。
「1匹見たら100匹いる」と思った方がいいそうです。

また、ゴキブリは、触覚と尾毛がよく発達しています。後ろからたたこうとしてもよく逃げられてしまうのは、この尾毛が空気の動きを察知できるからなんです。

「今でも好きになれない」と言いながら、ゴキブリを手に「よく見るとかわいいんですよ」(有吉さん)
殺虫剤から虫ケア用品?
研究所の虫は、殺虫剤の効果や安全性を確認する試験に使われています。

大切に育てたゴキブリを地面に放し殺虫剤を噴射。どのぐらいの距離で死んだのか計測します。噴射の範囲で効果がどう違うのかも確かめます。

蚊の飼育場所では、虫除けスプレーの効果を確かめる実験。私も試してみました。虫除けスプレーは、均一に伸ばさないと塗っただけではムラがあり、効果が薄れるということです。

ダニは防虫剤を入れる場合と入れない場合を比較して、衣服をどれだけ守れるか確認します。
会社では、安心して使ってほしいと、ホームページなどで商品の紹介を「殺虫剤」から「虫ケア用品」と変えています。これに対しネットでは「虫が元気になりそう」など疑問の声も多くありますが、会社の狙いは、人体に有害という印象を変え、「虫から守る」という意味を込めているのだそうです。
(リンク先に続きあり)

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