※続きです

▼2017年3月? 複数のまとめサイトがLGBTPZNについて言及
 以下、タイトルの一例です。
・【悲報】「LGBTPZN」という言葉が流行。ぺド、獣姦、屍姦が追加される [無断転載禁止]c2ch.net
・「LGBTPZN」とかいう闇の深い概念wwwwwwwww
・【LGBTPZN】今年の東京レインボープライドパレードではLGBT以外の性的マイノリティも参加歓迎だと話題に ロリコンども今こそ立ち上がれ

このように「LGBTPZN」は、twitter→個人サイト→2ちゃんねる(現5ちゃんねる)→まとめサイト、という道筋をたどってきました。
なお2018年4月2日現在、最新100件のツイートを分析すると、以下のような特徴が見られます。

・最新100件のツイートのうち、100%が日本語ツイート(2018年4月2日現在)
・最も一緒に使われるハッシュタグは「声かけ写真展」、続いて「ありがとう声かけ写真展」(関連記事:http://wezz-y.com/archives/31235
・論文なし
・報道なし
・商業出版物なし

つまり現時点でLGBTPZNは、ほぼ日本語のインターネット上でしか使われていないものだと言ってよいでしょう。
しかしながら複数の日本語WEBサイトに、「LGBTPZNはポーランドで使われていた言葉だ」という記述がみられます。
具体的にどういう背景でのことだったのでしょうか。再び時系列でまとめていきます。

■LGBTの子を持つ親の手紙をアンチが揶揄 ポーランドでの経緯

・2016年7月初頭
 ポーランド首都・ワルシャワ平等パレードにて、LGBTの子を持つ親たちが、「世界中からカトリックの若者が集うワールドユースデーに合わせ、ポーランドにおけるLGBTの現状についてローマ教皇に手紙を書こう」と発案。下記のような被害状況を訴える。
・LGBTのシンボルが燃やされる。
・LGBTの子どもたちが、日常的な暴言や暴力にさらされる。
・異性愛者でない人々が攻撃される。
・同性愛者の権利運動に取り組む団体の事務所が攻撃される。
(参考:ポーランド語メディア「WP Wiadomo?ci」ニュース記事、手紙の英語訳)
・2016年7月10日
 ポーランドに近いロシアのIPアドレスから、英語の匿名掲示板サイト「Politically Incorrect」に、「LGBTPZN。愛は愛。平等と受容を」と、英語圏におけるLGBT社会運動のスローガンを改変した匿名投稿がなされる。
・2016年7月22日
 投稿型サイト「SALON24」にて、「LGBTPZNの親たちが教皇に手紙を送った」という反LGBT的な記事が、stopfalszerzom(偽造反対)というアカウント名のユーザーにより投稿される。

 以上、ポーランドでの経緯をたどってきました。

「長い。3行でまとめろ(インターネット古語で言う「今北産業」)」という態度で、丁寧に文献を読もうとはしない人に向けて言うならば、こういうことが言えるでしょうか。

「LGBTPZNは
子供を守りたいポーランド人への皮肉で生まれ
子供を性欲の対象にする日本人の皮肉で広められた言葉」

さて、ここで筆者がキレてLGBTPZNを全否定すれば、きっと炎上させたかった人たちの思う壺なのでしょう。
が、そうはしません。改めて、冒頭のこの話に戻ります。

全ての人には、性のあり方にかかわらず、
1.好きなものを好きでいる自由がある。ただし、性暴力は他者の自由の侵害である。
2.嫌いなものを嫌いでいる自由がある。ただし、侮辱・蔑視・攻撃は他者の自由の侵害である。

どういうことなのか。最後にまとめます。

※続きます      .