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兵庫県川西市栄根2で2002年、伊丹市の会社員小瀬(こせ)秋雄さん=当時(30)=が殺害された事件は
23日で未解決のまま16年を迎える。小瀬さんは県道北行き車線の側道上で単車にまたがったまま、
胸から血を流した状態で見つかったが、直前までは同じ県道を南進していたことが神戸新聞社の取材で分かった。
川西署捜査本部は単車で県道上をUターンした後、刃物で刺されたとみており、逮捕に向けた捜査を進める。
同本部は21日から3日間、現場周辺で情報提供を求めるビラを配る。

◇「騒ぐ声聞いた」

02年5月23日夜、現場から北方面にある川西市内の飲食店に友人らといた小瀬さんの携帯電話が鳴った。
「尼崎で一緒に飲もう」。別の友人からの誘いだった。

単車はハンドルを持つ位置が高く、排気音の大きいタイプで、事件直前に県道を南進する姿を知人が目撃している。
午後11時40分ごろ、通行人に発見された小瀬さんは反対車線の側道にいた。エンジンを切った単車上にうつぶしており、
搬送先の病院で死亡した。

側道上には南約40メートルにわたり小瀬さんの血が点在。複数の付近住民が「騒ぐ声を聞いた」と証言した。
同本部は小瀬さんがUターンして北上後、側道で降車。徒歩で南に向かった先で刺され、単車に戻って意識を失ったとみている。

◇分離帯に切れ目

刺されたとみられるのは側道上で、犯人が車や単車を使った目撃情報はない。小瀬さんに殺意を持った人物は見当たらなかった。

交通量の少ない夜間になると、普段から分離帯の切れ目を歩いて県道を渡る人が絶えなかった−。同本部はこの情報に着目する。

捜査関係者が語る。「小瀬さんは南進中に横断者と遭遇してトラブルになり、追いかける形で反対車線に向かったのではないか」

だが有力な情報はなく、凶器も見つかっていない。南側の交差点に防犯カメラがあったが、精度が低く、人や車の動きも特定できていないという。

◇遺族の無念強く

車や単車が好きで、レースに出場し、専門雑誌にも取り上げられていた小瀬さん。友人らは「明るくて礼儀正しく、友人が多かった」と口をそろえる。

事件翌年から遺族は有力情報提供者に300万円の謝礼金を設けているが、現場周辺の住人も入れ替わり、事件を知る人は減っている。

小瀬さんの母親、盛山時枝さんは「犯人が捕まってほしいが、そうなれば『逃げ続けた』と強い憎しみを持つだろう。
自分から出頭してほしいという思いが消えない」と語る。


単車でUターン後刺される? 16年未解決の刺殺事件
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