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5月24日 8時09分
イランの最高指導者ハメネイ師は、アメリカが離脱したあとの核合意をめぐる協議について、原油取引を継続することや、イランのミサイル開発を議題としないことなどを求めたうえで、認められない場合は核開発を再び加速させる考えを表明しました。

イランの核合意をめぐっては、アメリカが離脱したあとも、イランとフランスやドイツなどヨーロッパ主要3か国との間で合意の維持に向けた協議が進められています。

これについて、イランの最高指導者ハメネイ師は23日、政府高官らを前にした演説で「すでに一部のヨーロッパ企業は撤退を始めている。ヨーロッパ各国は言っていることが違う」と述べて、不満を表明しました。

そのうえで、ヨーロッパ側に対し、アメリカの制裁が再開されてもイランとの間で原油や銀行間の取り引きを継続することや、イランのミサイル開発や中東地域でのイランの影響力の拡大を議題としないことなどを求めたうえで、これらが認められない場合は、制限してきた核開発を再び加速させる考えを表明しました。

アメリカを抜きにした核合意の維持に向けて、ハメネイ師が具体的な条件を提示したのは今回が初めてです。

イランとしては、アメリカが制裁をさらに強化する中、ヨーロッパ側にイランの国益を守るよう強く求めた形で、核合意の維持に向けて難しい調整が続けられることになります。