津波で死亡 市と遺族が和解へ

*ソース元にニュース画像あり*

http://www3.nhk.or.jp/lnews/morioka/20180608/6040001029.html
※NHKローカルニュースは元記事が消えるのが早いので御注意を

東日本大震災で釜石市の防災センターに避難した女性が津波で亡くなったことをめぐり、
遺族が市を訴えた裁判で、市は8日、行政責任を認めるなどとする
和解案を受け入れる方針を明らかにしました。
遺族側も受け入れる意向を示していて、これにより、和解が成立する見通しとなりました。

この裁判は、東日本大震災で、釜石市の鵜住居地区にあった防災センターに避難し、
津波で亡くなった住民の遺族が、防災センターが津波の避難場所ではないことを周知する義務を
怠ったなどとして市に賠償を求めたものです。

1審で裁判所は訴えを退け、当時31歳の女性の両親が不服として控訴し、
2審の仙台高等裁判所はことし2月、和解を勧告して、協議が行われてきました。

そして8日、釜石市の野田武則市長は会見で、裁判所が示した和解案を示したうえで、
これを受け入れる方針を明らかにしました。
和解案には、釜石市は防災センターに避難した多くの住民が犠牲になったことについて
行政責任を認めること、和解金として遺族に48万9500円を支払うことなどが盛り込まれています。

一方、遺族側も、この和解案を受け入れる意向を示していて、市議会での可決など手続きが順調に進めば、
来月上旬にも和解が成立する見通しとなりました。

釜石市の野田市長は
「たくさんの人が犠牲になり、行政としての責任を認めている。
反省を踏まえて今後、防災対策に取り組んでいきたい」
と話しています。
また、裁判の原告で、当時妊娠中だった娘の片桐理香子さんを亡くした寺澤泰樹さんと仲子さんは
8日、弁護士を通じてコメントを発表しました。
このなかで、「裁判所は、私たちの気持ちをしっかりと受け止め、理解して、和解勧告してくれた。
釜石市が、裁判所の和解勧告に応じて和解するという結論を出すのであれば、
私たちも同様の結論を出すことができると思っている」
としています。

06/08 20:22