2018年6月17日 11時52分
 大腸の粘膜に炎症が起こる原因不明の難病「潰瘍性大腸炎」の治療を目指し、東京医科歯科大のチームが、患者の大腸から粘膜のもとになる幹細胞を採取・培養して患部に移植し、粘膜を再生する初の臨床研究に乗り出す。粘膜が深く傷ついた重症患者が対象で、今秋にも1例目を行う。この再生治療が成功すれば、重症患者も再発しない状態まで回復する可能性がある。

 潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に炎症や潰瘍ができ、下痢や血便、腹痛などを起こす。国内の患者数は20万人以上とみられ、国の指定難病の中でも特に多い。薬などで炎症を抑える治療が一般的だが、重症の場合は症状が繰り返して悪化し、大腸がんになる恐れもあるため、大腸切除を余儀なくされることも多い。こうした重症患者は全体の1割近くに上るという。

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http://sp.yomiuri.co.jp/science/20180617-OYT1T50028.html