https://www3.nhk.or.jp/lnews/kagoshima/20180618/5050003045.html

地震 県ブロック塀緊急点検検討
06月18日 18時37分

18日朝、大阪府北部を震源とする大阪・高槻市などで震度6弱の揺れを観測する大地震があり、ブロック塀の下敷きになって通学途中の小学生が亡くなるなど大阪府内で3人が死亡し多数のけが人が出ています。

こうした被害、鹿児島県でもひと事ではありません。
県によりますと、ブロック塀や石塀など最悪で1万2000件以上の被害が想定されていて、県は緊急の点検を検討するとともに所有者には補強などの対策を進めるよう呼びかけています。

18日朝、大阪府北部を震源に起きたマグニチュード6.1の地震では県内でも九州新幹線のダイヤが乱れたほか一部空の便にも欠航が出ました。

この地震では高槻市でブロック塀の下敷きになって通学途中だった9歳の小学生の女の子が亡くなるなど大阪府内で3人が死亡し多数のけが人が出ています。

今回の地震で被害を大きくしたブロック塀の倒壊ですがこうした被害は鹿児島県内でも起きるおそれがあります。

東日本大震災を受けて県が公表した地震による被害想定では、鹿児島湾直下を震源とするマグニチュード7.1の地震が起きた場合、ブロック塀、石塀それにコンクリート塀の倒壊は最悪で1万2300件にのぼるとされています。

市町村別では鹿児島市が最も多く、9400件となっています。

このほか県西部直下を震源とする地震ではいちき串木野市で3000件、県北西部直下を震源とする地震では出水市で2200件などとなっています。

今回の地震を受けて、県は、県内にあるブロック塀の安全性を緊急で点検する方向で検討を進めていて、「ブロック塀の所有者や管理者は、安全性に不安がある場合、専門の業者などに相談をした上で補強など必要な対策をとってほしい」と呼びかけています。

【県内も過去被害】
鹿児島県では21年前の平成9年にマグニチュード6を超える地震が2度発生した「鹿児島県北西部地震」の際、震度6弱を観測した薩摩川内市や震度5強を観測した宮之城町・現在のさつま町などでブロック塀や墓石が倒壊する被害が相次ぎました。

ブロック塀は建築基準法の施行令などで地震の揺れで倒れかからないよう高さや厚さ、それに壁の内側に入れる鉄筋の間隔などが決められています。

この地震で宮之城町・現在のさつま町で調査を行った建築学が専門で大分大学の菊池健児教授によりますと、当時の地震で倒壊したブロック塀は、塀を支えるための地中の基礎やブロック部分と基礎をつなげる縦筋と呼ばれる鉄筋がないものが多かったということです。

菊池教授は「基準を満たしていないブロック塀は、いまもまだ多く残されている可能性がある」と指摘した上で、「地中にある基礎やブロック塀の中にある縦筋は一般の人が外から見ても判断できない。心配な場合は、まずは専門の業者の診断を受けて性能を確認したうえで、補強や建て替えなど必要な対策を進め、危険なブロック塀を減らすことが重要だ」と話しています。