◆「捜査不十分」プロデューサー訴え=求刑直後に無罪判決、確定―東京地裁

番組の権利をめぐり、取引先から現金をだまし取ったとして詐欺罪に問われ、東京地裁の無罪判決が確定したプロデューサー佐谷秀美氏(58)が21日、東京都内で記者会見し、「検察の捜査が不十分だった」と訴えた。
佐谷氏は映画「嫌われ松子の一生」「あずみ」などを手掛けた。

弁護人などによると、佐谷氏は企画中のテレビ番組の権利を取得できるなどとうそを言い、取引先の男性から計約5100万円をだまし取ったなどとして、2016年11月に逮捕された。
今年2月の地裁判決は「男性が帳簿と整合しない虚偽の説明をし、検察も会計処理の過程を確認せず起訴した」などと指摘し、詐欺行為はなかったと認定。
検察側が控訴せず、そのまま確定した。

時事通信 2018/6/21(木) 18:05
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180621-00000095-jij-soci

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◆「無罪判決が出たのに、一切報道がない」プロデューサー佐谷さんが会見…勾留262日、仕事は全て白紙

「嫌われ松子の一生」や実写版「ルパン三世」、「あずみ」などの数々の映画を手がけた映画やドラマのプロデューサー、佐谷秀美さんが6月21日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見した。
佐谷さんは2016年11月、詐欺容疑で逮捕されたが、一貫して否認、今年2月に無罪判決を得ている。

会見を開いた理由として、佐谷さんは「無罪判決が出てから一切の報道がされなかった。インターネットは私が逮捕された時点の記録になっている」と話した。
逮捕が報道されてから、ネット上に佐谷さんが手がけた作品まで傷つけるようなブログやツイートが書かれるなど風評被害もあったといい、「作品と私の名誉のために、判決を知って欲しいと思って会見を開きました」と語った。

また、逮捕時から佐谷さんは一貫して、容疑を否認してきたが、262日間も勾留された上、「検察官に何度も説明しようと思ったが話を聞いてもらえなかった」と不信感を訴えた。
今年3月、佐谷さんの刑事補償を認めた東京地裁は決定の中で、検察は客観的な証拠を軽視した捜査を行なっていたと厳しく批判している。

●突然の逮捕から262日間も勾留、仕事はすべて白紙に

2016年11月2日朝、佐谷さんの自宅に事前の聴取もなく、突然警察が逮捕状を持って訪れた。
家宅捜索してパソコンなどを持ち出すとともに、その場で佐谷さんを逮捕。佐谷さんは警視庁目黒警察署に連行された。
「そこには、報道機関が待っていました。私には事前聴取がありませんでしたが、報道関係者にはリークされていたわけです」

その後、佐谷さんは原宿の留置施設に収容された。接見も禁止され、12月に起訴。
東京拘置所に移送されてからも、保釈請求を出していたが、結局6回にわたり勾留は引き伸ばされた。
2017年2月の初公判後、7月にやっと釈放されるまで、262日もの間、佐谷さんは拘束されていたことになる。

その間、佐谷さんがプロデュースした連続ドラマが放映中だったが、急遽名前を外し、そのほか、継続中の仕事への影響を考えて、会社の役員の解任手続きをするなどの対応に追われたという。
「予定されていたプロジェクトは中止になり、仕事は判決まで全て白紙に戻った状態です。
判決が確定した後も、『あのプロデューサーは逮捕された人でしょう』といわれることのないよう、逮捕を報道したメディアから無罪を伝えてほしいです」と話した。

写真:無罪判決を受けて記者会見する佐谷秀美さん(左)と櫻田喜貢穂弁護士
https://amd.c.yimg.jp/amd/20180621-00008082-bengocom-000-4-view.jpg

弁護士ドットコム 2018/6/21(木) 17:44
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180621-00008082-bengocom-soci

※続きます