下関市の観光戦略を考える市民参加シンポジウム「維新150年観光フォーラム−海峡と歴史のまち下関−」が17日、同市豊前田町の海峡メッセ下関で開かれた。市民ら約130人が参加し、観光によるまちおこしについて意見を交わした。

 総合観光学会の須田寛副会長と山下晋司会長の基調講演に続き、前田晋太郎市長や市立歴史博物館職員、観光ガイドなどによるパネル討論があった

 下関市彦島出身でもある山下会長は、萩市の萩反射炉や松下村塾などが世界遺産に登録されている例を挙げ、観光には「歴史の見える化」が重要だと指摘。「見える物が無いと、人は歴史を振り返らない」と、旧下関英国領事館の活用や、関門海峡の舟運の更なる整備を提案した。

 前田市長は角島の観光客やインバウンド(訪日外国人)が増えていることなどを紹介し、あるかぽーと地区での都市型ホテル建設や、捕鯨母船の母港化などへの意欲を語った。

 質疑応答では会場から「関門海峡の人道トンネルに海中の様子を映せないか」「(長府宮崎町の)櫛崎城跡に小さな城を建ててみては」などの意見が挙がった。終了後、山下会長は「観光は『これがだめならあれ』という風に幅広くやっていくべきだ。いろんな声を聞いて、参考にしてほしい」と語った。

https://mainichi.jp/articles/20180620/ddl/k35/040/417000c