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シリア政権軍猛攻、市民126人死亡=避難者16万人に
2018年07月01日01時00分

 【カイロ時事】シリアのアサド政権軍が反体制派からの奪還を目指して猛攻を加えている南西部ダルアー県で、攻撃が激しくなった19日以降の市民の犠牲者が急増し、30日までに126人に達した。在英のシリア人権監視団が明らかにした。

国連によると、ダルアー県では攻撃で少なくとも約16万人が避難を強いられ、日々増え続けている。多くは近くの対ヨルダン国境方面などへ向かったが、ヨルダンは国境を封鎖して受け入れを拒否。避難者は飲料水や食料などを得るのが困難で、生活環境が極度に悪化している。

 ダルアー県は、アサド政権の後ろ盾ロシアと米国などが停戦で合意した「安全地帯」の一つだが、既に形骸化している。ロイター通信などによれば、反体制派は30日までにロシア側との協議を開始。ロシア側は反体制派の牙城である北西部イドリブ県などへの撤退を求めているが、反体制派が難色を示しているという。