>>421
自治体警察は

すべての市および、人口5000人以上の市街的町村に設置されると
定められた。市町村長の所轄のもとに市町村公安委員会を置き、
自治体警察を管理するとされた。経費は当初、旧警察法附則に
於いて「市町村警察に関する費用は、地方自治財政が確立される
時まで、政令の定るところにより国庫及び都道府県がこれを負担
する」と定められていたが、警察法施行からわずか三カ月後に
地方財政法によって「自治体警察に要する経費」は「当該地方公共
団体が、全額これを負担する」とされた事で、自治体警察はすべて
当該自治体の負担とされた。国家非常事態が布告された場合には、
内閣総理大臣が全警察を統制する事が可能となっていた。

第二次世界大戦中、およびそれ以前の警察は、国家の警察として非常
に統一的であり極めて中央集権的であった。軍閥や政党やその他一部の
人々が自分たちの利益や目的のために、この警察力を利用して国民の
平和や権利を踏みにじる場合が少なくなかった。その反省を踏まえて
警察組織を「国家地方警察」と「自治体警察」との二つに分かち、それぞれ
が互いに独立する仕組みにした。

自治体警察の法執行官は、最高責任者である警察長と警察吏員(現行法
における警察官に相当)によって構成された。複数の警察署を置く場合
は警察本部の設置が義務付けられた。大都市の警察本部は警察局と称す
ることが多く、なかでも大阪市は大阪市警視庁と称していた。

東京23区はかつての東京市の区域であったことから、特別区の区域全体を
一つの市とみなし、東京都知事の所轄のもとに特別区公安委員会を置き、
自治体警察たる警視庁 (旧警察法)を管理した。