温泉で知られる岐阜県下呂市でも7日深夜に大雨特別警報が発表された。岐阜市方面に向かう国道は通行止め、JRも運転見合わせが続き、温泉街では帰宅できない観光客らが途方に暮れた。

 8日昼には雨が上がり、青空ものぞいた下呂の温泉街。愛知県知多市から家族5人で来た岩間利雄さん(38)は「明日から仕事だし、子どもは学校がある。高山まで北上して帰ろうか悩んでいます」と話した。

 8日に宿泊する予定だった客も下呂市に入ることが出来ず、キャンセルが続出した。温泉ホテル「小川屋」は、海外からの団体客など200人を超える予約が入っていたが、すべて取りやめになった。

 従業員の男性は「晴れてきているのに、下呂に入って来られないお客さんと、帰りたくても帰れないお客さんがいる」と困った様子だった。

 下呂市内では孤立状態の発生も相次いだ。

 岐阜県防災課によると、下呂市金山町の国道41号で土砂崩れが発生し、トラックが孤立。8日午前7時50分ごろ、県の防災ヘリコプターが運転手らを救助した。

 下呂市門和佐(かどわさ)の30代の自営業男性によると、8日午前5時ごろまでに、自宅近くの県道が山から崩れ落ちた石や流木でふさがれ、通行止めに。地区の4軒が孤立状態になったという。

 「昨夜から未明にかけての雨がすごく、経験したことのない雨で前が見えないくらいだった」と男性。食料はあり、水道・電気・ガスのライフラインに問題はないという。

 男性は「無事なのが何よりだが、今後は早めの避難、災害への備えをしたい」と話した。(松浦祥子、室田賢、斉藤佑介)

朝日新聞社
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