2018年07月10日 火曜日

 秋田県は、公立大学法人の国際教養大(秋田市)による小学校や中学校など付属校の新設に向け近く協議を始める。英語で考える授業などで知られる教養大のブランドを生かし、小中学校進学を控えた子どもがいる家族ら移住者を呼び込む狙いもある。

 県議会6月定例会の一般質問で、議員から付属校新設の提案があった。佐竹敬久知事は「教養大の先進的な取り組みを子育て世代の移住希望者にアピールしたい」と応じ、義務教育を担う秋田市などと協議する考えを示した。

 2004年開学の教養大は県が設置した公立大学法人が運営。公立大学法人はこれまで付属校設置が認められていなかったが、昨年4月の法改正により可能になった。

 現在、付属校を設置している公立大学法人は兵庫県立大(神戸市)のみ。法改正を受け、付属中高の設置者を県から公立大学法人に変更した。大学との一体的な教育や柔軟な教職員人事が展開でき、独自色を出せるメリットがあるという。

 文部科学省によると、全国に89ある公立大で、教養大以外に付属校新設の動きはない。

 県は現在、校舎整備や教員確保策といった付属校設置に伴う課題を洗い出している段階。設置時期や場所などはまだ白紙の状態だという。教養大は入学定員が175人と少なく、付属校の設置自体を疑問視する見方が県議会にもある。

 県高等教育支援室は「付属校設置となれば財源の確保が求められる。費用対効果を含め、幅広く議論する必要がある」と話す。

https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201807/20180710_41020.html