[東京 27日 ロイター] -
麻生太郎財務相は27日の閣議後会見で、7月に予定されていた日米通商交渉対話(FFR)が8月に開催されるとの見通しを示した。
米側が望むFTA(自由貿易協定)は日本側として呑めない姿勢を改めて示した。

ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は26日米公聴会で30日以内に日本と通商対話を開く意向を示した。
この点にいて麻生財務相は、「ライトハイザー代表はFFRをFTAの裏付けにしようとしているが、
日本側はFTAをやるつもりはないと最初から申し上げている」と述べ、
米国の競争力が大きい農産品などの自由化を含みかねないFTA圧力をけん制した。

通商対話の時期については「7月末がダメだったから、8月どこかでやるでしょう」とした。

米国と欧州連合(EU)が25日合意した新たな貿易交渉については「詳細はよくわからない。したがってコメントすることはない」とした。
その上で、米国の貿易赤字は、対中国が最も大きく、次いでEU、NAFTA(北米自由貿易協定)加盟国(メキシコ・カナダ)、
次いで日本の順となるため、米国の対日貿易交渉について「日本まで来るのは時間がかかる」と見解を示した。
同時に「流れをみて色々検討しないといけない」と米通商政策を注視する姿勢を強調した。

21─22日にブエノスアイレスで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀国総裁会合では
「世界経済は堅調に動いているが、下方リスクが存在している。「下方リスクが増大する可能性について色々議論した」と述べ、
金融・財政など「すべての政策手段を引き続き用いていく」合意を確認したという。為替に関しても、従来の合意を再確認したと明らかにした。

麻生財務相はG20会合後にニュージーランドに立ち寄っており、ピーターズ副首相と会合した経緯について、
環太平洋経済連携協定(TPP)への英国加盟意向などについて情報交換したことを明らかにした。

Reuter
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