27日午後4時20分ごろ、山梨県北杜市のJR中央東線長坂―小淵沢間を走行中の高尾発長野行き普通列車(6両編成)の車内で、車掌が液体の入った不審なビニール袋を発見した。JR東日本は危険物などの恐れがあるとして、茅野駅(茅野市)でこの列車の運転を打ち切り、乗客約200人と駅構内にいた人を駅外へ避難させた。けがや体調不良を訴えた人は確認されていない。長野県警の捜査などのため、同駅は2時間半近くにわたって閉鎖された。県警は袋が置かれた経緯を調べている。

 JR東日本長野支社によると、ビニール袋に入った液体は透明で無臭。約40人が乗車していた4両目の座席下の近くで見つかった。ビニール袋は透明で袋口が縛られ、液体が漏れた様子はなかった。

 通報を受けた諏訪広域消防本部の消防隊員らが化学防護服を着て車内に入り、ビニール袋を回収。液体が何か特定するため、県警科学捜査研究所(科捜研)に送ったとしている。消防が現場で4種類の有害物質のテストをしたところ、いずれも検出されなかった。4種類の中身は明らかにしていない。

 乗客によると、ビニール袋は車両後方の3人掛け席近くの床にあった。列車が青柳駅(茅野市)を通過後、乗客は駅員の指示に従って別の車両に移動したという。

 中央東線は午後8時まで、小淵沢―塩尻間の運転を見合わせた。普通上下10本が運休・区間運休。特急10本を含む上下19本が最大約2時間20分遅れ、約5千人に影響が出た。飯田線も伊那新町―辰野間で一時運転を見合わせて上下2本が最大30分余遅れた。



信濃毎日新聞 7月28日
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