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街のあちこちにカンガルー出没、餌不足が原因 豪首都
2018.07.31 Tue posted at 14:00 JST

(CNN) オーストラリアの首都キャンベラで、カンガルーの群れが家の裏庭やサッカー場などに突如出現して住民を驚かせている。ソーシャルメディアには愛嬌(あいきょう)ある姿をとらえた投稿が相次いでいるが、自動車との衝突も報告されており、餌不足のためとみられる街中への流入を懸念する声が出ている。

キャンベラには30を超える自然保護区があり、そのほとんどでオオカンガルーが生息している。そのため近隣の道路や庭などでカンガルーを目撃するのは珍しくない。

それでも豪首都特別地域(ACT)の自然保護当局を統括するダニエル・イグレシアス氏は、CNNの取材に対し、今冬はカンガルーを街中で見る機会が格段に増えていると指摘する。6〜7月にかけ、記録的な寒さと極度の乾燥が続き、カンガルーの餌となる植物が不足していることが原因だという。
「現状ではキャンベラ中を見回しても、緑の草が生えているのは競技場や家の庭、校庭、道路わきなどわずかなところに限られる。そうした場所にカンガルーが引き寄せられている」とイグレシアス氏は説明する。

29日にはサッカーのリーグ戦を行っていたピッチ上にカンガルー1頭が乱入。選手がいるのもお構いなしに跳ね回ったかと思うと、ゴール前に寝そべって動かなくなるなど、勝手気ままにふるまう様子が笑いを誘った。

ただ群れで移動するカンガルーが路上に飛び出して自動車と衝突する事故も相次いでいる。イグレシアス氏は住民に向けて「群れが集まっている場所を把握して、そこを走るのを避けるか、徐行運転してほしい。夕暮れ時と夜明けは群れの移動が活発になるので特に注意が必要だ」と呼びかけた。

ACT当局はカンガルーが増えすぎて地域の生態系を脅かすことがないよう、毎年間引きを行っている。今年の間引きは今月27日に完了し、キャンベラ市内の7つの自然保護区から3253頭のカンガルーを間引いた。それでも市内には約40万人の人口に対し「数万頭の」カンガルーがいるという。
イグレシアス氏は街中のカンガルーについて、「周囲に人がいる状況には慣れるだろう」としながらも「人の方からなでたり餌をやろうとして近づいてはいけない。攻撃されたと感じて逆に襲い掛かってくる危険がある」と警告。飼い犬も、カンガルーを追い回して反撃される恐れがあるので、しっかりつないでおく必要があると話した。

サッカーの試合中にピッチに入り、ゴールの前で寝そべるカンガルー/BarTV Sports & Capitol Football
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