例えば、一夫多妻制の国であれば、男女の未婚率の差は当然のように発生する。
日本では法的に認められていない結婚の形態だが、時間差で事実上の「一夫多妻制」が成立する場合がある。
再婚男性と、初婚または再婚女性の結婚のケースだ。
その再婚男性の妻となる女性の数だけ、未婚男性は結婚機会を失うことになる、といえる。

国際結婚があまり多くない日本では、男女の結婚歴の差は、こうした「再婚事情」が握っている可能性があるのだ。

日本の再婚動向はどうなっているのか

厚労省や国立社会保障・人口問題研究所(社人研)などの統計から、日本における再婚の実態を見てみたい。

16年に全国の市区町村の役場に提出された婚姻届に「再婚者が含まれる割合」は全体の25%を占めている。
現代の日本では、再婚者を含むカップルが4組に1組にも上るわけだ。

「夫婦の3組に1組が離婚する」というネガティブな情報ばかりが注目されがちだが、その次のステップとしての再婚も増加し、一般化したといっていいだろう。

統計的には初婚者同士のカップル、再婚者同士のカップルは結婚歴の男女差に影響しない。

注目すべきは

 (A)「再婚男性と初婚女性」のカップル

 (B)「再婚女性と初婚男性」のカップル

の割合である

「再婚男性と初婚女性」の結婚と、「再婚女性と初婚男性」の結婚が同数なら、結婚歴の男女差を変動させることはない。

実際はどうか。16年度の1年間の結婚状況を調べたところ、結婚したカップル全体のうち
「再婚男性と初婚女性」が9.7%、「再婚女性と初婚男性」が6.9%で、前者が後者の1.4倍に上っていた

「再婚男性と初婚女性」の結婚が、「再婚女性と初婚男性」のそれよりも多いという状況は、筆者が調べた1975〜2016年の統計では、なんと40年以上にわたって続いていた

毎年1万〜2万件、「再婚男性と初婚女性」のほうが「再婚女性と初婚男性」より多かったのだ。
これは毎年1〜2万人のペースで、結婚歴のない男女の差が開くことを意味する
その積み重ねが男女の生涯未婚率の大きな差に結びついたことが統計的に読み取れる