「未婚率」男女差は埋まるのか?

では今後、生涯未婚率の男女差が解消される可能性はあるのだろうか。

統計上は「再婚女性と初婚男性」の結婚が増えるか、あるいは「再婚男性と初婚女性」の結婚が減れば、差は縮まる可能性はある。
そこまでいかなくても、「再婚男性と初婚女性」と「再婚女性と初婚男性」が毎年同数になれば、生涯未婚率の差は今まで以上に広がることはない。

結婚歴の有無や生涯未婚率で男性が上回っていること自体を「問題」と断じるべきではないのかもしれない。
しかし、社人研の調査では18歳〜34歳の男女とも、約9割が結婚を希望していることがわかっており、一種の「日本社会の歪(ゆが)み」といえるのも事実だ。

この差を解消するには、どういった方法があるのだろうか。考察してみたい。

初婚男性と再婚女性の結婚を促すには?

一つ目は、初婚男性と再婚女性の結婚を促すことだ。再婚女性が初婚男性との結婚を、そして、初婚男性が再婚女性との結婚を考えられるように偏見や先入観を打ち消すことだ。

「再婚女性と初婚男性」のケースを見てみたところ、初婚同士のカップルに比べて「年上女性と年下男性」のカップルが多かった。

初婚同士のカップルのうち、女性の方が年上というケースはほぼ4組に1組(24%)だが、「再婚女性と初婚男性」では、女性の方が年上である割合が、全体の半数近い44%まで上昇する。

つまり、初婚男性が年上の再婚女性と結ばれる可能性は比較的高い、といえる。「結婚するなら年下の女性」という先入観は、よき相手との出会いを阻害してしまうかもしれない。

初婚男性が再婚女性と結婚できない理由……

初婚男性にとって、再婚女性に子どもがいる場合、それが結婚に踏み切れない「壁」となる場合もあり得る。

OECD(経済協力開発機構)の調査によると、シングルマザー世帯がその9割近くを占める「ひとり親世帯」の相対的貧困率は、調査対象となった先進国の中で日本は飛び抜けて高い。
貧困状態にあるという実情が、再婚相手となる男性に高い「経済力」を求める理由となりうるのではないか
結果的に初婚男性にとって、再婚女性と結婚する際の障害になる、と筆者は見ている。

ならば、「シングルマザーの経済力向上」が、男女の生涯未婚率の差を解消するカギともなり得る。シングルマザー世帯が経済的に安定し
年下で収入が多くない初婚男性との結婚にシングルマザーが踏み切りやすくなるよう、国や自治体がセーフティーネットを整備することが必須ではないだろうか。