五年八カ月余りの「安倍政治」で、常に論争の的になってきたのが経済政策のアベノミクスだ。

本格論戦が始まった自民党総裁選でも、安倍晋三首相は国内総生産(GDP)の伸びなどを取り上げ、政策の妥当性を訴えている。

もっとも経済指標が改善したのは、データのとり方を変えた影響が大きく、十分な説明をせず、成果を「誇張」しているとの指摘もある。

首相は十日、自民党総裁選候補者による共同記者会見で、第二次安倍政権発足時と現在を比較した名目GDPについて「12・2%、六十兆円伸びている。

六百兆円を実現したい」と強調。三選を果たした上で向こう三年の任期中、GDPを過去最高の六百兆円に乗せることへの意欲を示した。

無投票で党総裁に再選された二〇一五年九月、首相は二〇年ごろの六百兆円到達を目標に掲げた。

物価変動を反映し、景気実感に近いとされる名目GDPは当時、五百兆円程度。

目標の達成には百兆円の上積みが必要だったが、今月十日に公表された一八年四〜六月期に年率で五百五十兆円を突破し「六百兆円」が視野に入った。

(名目GDPの伸びと基準変更の影響)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201809/images/PK2018091202100049_size0.jpg

ただ急成長には「からくり」がある。政府は一六年十二月、GDPの計算方法を変更したのだ。

「国際基準に合わせる」との理由で、それまで採用していなかった「研究開発投資」の項目を追加。

このほか建設投資の金額を推計するために使っていたデータを入れ替えるなどの見直しを行った。

この結果、一五年度の名目GDPは三十二兆円近く増えて五百三十二兆二千億円に跳ね上がり、一気に六百兆円に近づいた。

ニッセイ基礎研究所の上野剛志氏は「明らかに統計の数字が良くなる特殊な要因がある場合、政府はできる限り丁寧に説明する必要がある」と指摘する。

アベノミクスを分析した著書がある明石順平弁護士は「(建設投資の推計手法の変更など)国際基準とは関係ない部分の上げ幅が、安倍政権の時期だけ突出して大きく、

都合よくデータを選んでいることが疑われる」との見方を示す。

安倍政権になって経済規模が拡大したのは確かだ。

一方で物価も上がっているため、物価変動の影響を取り除いた実質GDPの伸びは8%、四十兆円にとどまり、名目GDPの伸びの六十兆円より二十兆円少ない。

通常は実質の数字が重視されるが、見かけ上、数値が大きい名目GDPを引用し成果をアピールしているようにみえる。

(全文)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201809/CK2018091202000123.html

(前スレ) 
https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1536730371/

★1が立った時間
2018/09/12(水) 14:32:51.77