(宮崎正弘のコメント)トランプ戦略はロシアを対中国包囲網の仲間に入れることですが、米国議会とメディアが徹底的に反対し、妨害していて、実現には到らない。トランプのホンネはロシア制裁を解除すること、ロシアをG8のメンバーに復帰させることです。
 この戦略的流れのなかで、安倍首相のロシア外交が展開されているとみれば、ともかく何回でも会うことが重要、コンタクトを密にとり続けることが外交のイロハであるという認識は変わらず、劇的進展はなくとも現状維持が大切というわけでしょう。
 このロシアの曖昧な姿勢に直撃弾を撃ち込んで米露、日露関係の悪化を策しているのが中国です。
 最近も中国のネット新聞『今日頭条』にでていたトンデモ記事を紹介します。このネット新聞は日本で言うとスポーツ新聞と『日刊ゲンダイ』を足したような芸能メディアです。
 「NATO空軍機が5000機、実戦配備についてロシア攻撃が近い」
 また『プラウダ』英語版も政治宣伝の満艦飾ですが、「米空軍はF35爆撃機を投入し、ロシアがシリアに配備したスホイ57ならびにミサイル防衛システムのS300,S400破壊を狙っている」云々。
 ま、ロシアの様子見外交はまだしばらく続くでしょう。

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