色を判別しにくい「色覚障害」の子どもたちに配慮するため、兵庫県尼崎市教育委員会は14日、来年度から全ての市立小中学校で「色覚チョーク」を導入する方針を明らかにした。色覚障害の子の黒板の見えづらさを解消し、症状に気付いてもらう狙いもある。

 同日の市議会本会議で、岸田光広議員(あまがさき志誠の会)の一般質問に答えた。西宮市などでは一部の学校で導入しているが、市内全校での導入は珍しいという。

 色覚障害は、視細胞の異変に伴うもので、赤系や緑系の色が見えにくい、色がくすむなどの症状がある。飛行機のパイロットなど一部の職種に就けないことがあるが、現在は検査が義務付けられていないため、就職の際に初めて気付くケースもあるという。

 色覚チョークは特殊な素材を含んでおり、従来のチョークより色が明るい。本年度、市内の小学校で試験的に使ったところ、色覚障害の疑いのある子は色の違いが分かりやすくなり、ない子からも「見やすい」と好評だった。色は朱、黄、青、緑などがある。従来のチョークとそれほど価格が変わらないといい、一斉導入が決まった。(岡西篤志)

2018/9/16 05:30
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