2018年9月16日 22時30分
 岐阜市内の養豚場の豚が家畜伝染病「豚コレラ」に感染した問題で、岐阜県は16日、新たに養豚場の北東約3・5キロの市内で死んでいた野生イノシシの遺伝子検査をしたところ、陽性反応が出たと発表した。農林水産省がより精密な検査を実施する予定で、確定すればイノシシの感染は2例目となる。養豚場の外で、感染が広がっている可能性が一段と強まった。

 県によると、新たなイノシシは体長50センチの子どもで、性別は不明。15日午後、同市大洞の民家の庭で死んでいるのを住民が見つけ、県に通報した。県中央家畜保健衛生所の遺伝子検査で、16日夕に陽性反応が出た。県は発見場所を消毒し、イノシシは検体を採取後に焼却したという。

 市内では13日、問題の養豚場から北西に約7キロ離れた同市打越の水路で野生イノシシが死んでいるのが見つかり、豚コレラに感染していたことが確認されたばかり。このイノシシや養豚場と、新たに陽性反応が出たイノシシとの関連や感染経路は分かっていない。

 県は今回のイノシシが死んでいた場所を中心にした半径10キロ以内を調査区域に追加した。圏内の3養豚場に、立ち入り検査をする。

 県は養豚場で衰弱した豚や、県内で死んだイノシシなどの検査を進めている。16日午後3時までに検査した豚2頭と、同県関市と本巣市で捕獲されるなどしたイノシシ13頭についてはいずれも陰性で、イノシシ1頭は判別不能だった。

(中日新聞)
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2018091690223035.html