「棺おけ入りませんか?」―。15日、春日部市内で開かれた冠婚葬祭にまつわるイベントの一環として「入棺体験」が行われた。生きながらにして死後の世界を味わう不思議な体験に参加者の反応もさまざま。イベントは17日、越谷市でも開かれる。

 イベントは「アルファクラブ武蔵野」(さいたま市大宮区)が、春日部市谷原のフラールガーデン春日部で開いた「冠婚葬祭フェア」。「ゆりかごから墓場までサポートします。敷居が高いと思われがちな式場に気軽にお越しいただければ」(村川壽規営業部本部長)とイベントを企画した。

 葬儀の紹介はイベントの一部。あくまでも結婚式や七五三、成人式など華やかな展示、企画が並ぶフェアだ。この日は家族連れや夫婦が参加し、ファッションショーや無料ビュッフェ、落語、コンサートを楽しんだ。

 その中でひときわ目を引く「入棺体験」。同社によると、生前に棺おけに入ると長寿につながるという。体験では、納棺師が儀式を再現。参加者は家族に囲まれながら、ひつぎの世界を体感した。体験した人々の感想はさまざま。興味津々、文字通り「棺おけに足を突っ込む」人もいれば、「ここまでは、嫌ねー」と顔をそむける人も。

 体験しなければ、原稿も書けまいと諦め「体験取材」。ひつぎの中は思った以上に狭い。ふたが閉められると、そこは暗黒の死後の世界。早々にふたの窓を開けてもらうと、どちらの世界に生きているか分からない、何とも奇妙な気持ちになった。

 体験したひつぎの価格は20万円ほど。有名デザイナーのものになると40万円以上に上がるという。安くても良いので、少し幅が広めのひつぎを注文できれば、ひつぎから立ち上がった。

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シュールな光景
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