大丸梅田店(大阪市北区)に9月3日まで13日間、初めて登場した女性向けアダルトグッズ「iroha(イロハ)」の期間限定ショップには、期間中に約1500人が来店、966点を販売、売り上げが同社の目標の3倍を超え、予想を上回る盛況となった。百貨店が同ブランドの製品を扱うことはこれまでなかったが、少子化や不妊の増加などを背景に、大丸梅田店が全国で初めて試みた。同店は今回の結果に手応えを感じ、第2弾も検討しているという。

■「実物を見たい」「相談したい」ニーズが

 イロハを展開するTENGA(テンガ)によると、来店した1500人のうち705人がグッズを購入。売り上げは389万円にのぼり、同社目標の3倍以上となった。多くの客が数十分ほどかけて全商品を吟味し、女性スタッフに相談して購入していたといい、同社の広報担当、工藤まおりさん(26)は「女性はアダルトショップには入りにくく、ウェブサイトで買う人が多い。今回の出店で、実物を見て購入したいというニーズがあるということがわかりました」と話す。

 期間中、工藤さんらテンガの広報担当女性2人による「お悩み相談室」も開催された。工藤さんによると、「(子供をつくるための)妊活を楽しみたいから、グッズを取り入れるべきでしょうか」などの相談が寄せられたという。

 そもそもこのショップは、セックスレスや不妊の夫婦が増え、少子化が社会問題になる中、大丸梅田店が「夫婦の愛やコミュニケーションをないがしろにしないでほしい」と発案したもの。不妊に悩む夫婦は1割以上と推測され、一般社団法人「日本家族計画協会」(東京)が平成28年に行った「男女の生活と意識に関する調査」によると、「1カ月間セックスをしなかった」とした既婚者の割合は47・2%で、10年前(34・6%)よりも12・6ポイント増加している。

■もっと真面目に話せる環境が必要

 テンガが昨年11月に行ったインターネット調査では、63・2%の女性が「セックスについて悩みがある」と回答。テンガ広報の工藤さんは「こういった話題はタブー視されがちで、正しい情報がまとまっているところがない。もっと性について真面目に話せる環境やきっかけを作っていきたい」と話す。

 大丸梅田店の広報担当者は「他の商品を買うのと同じように、普通にショップに入って買われていく方が多く、思った以上に性に対する考えが変わってきていることを実感しました」。新たなニーズも分かったとして、11月22日の「いい夫婦の日」に合わせ、再びイロハの商品を含めた期間限定ショップの開催を検討しているという。

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2018.9.10 06:40
産経WEST
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